HIERAS: A DHT Based Hierarchical P2P Routing Algorithm

p2p dht

「HIERAS: A DHT Based Hierarchical P2P Routing Algorithm」という論文のアブストラクトを読みました。

■著者
Zhiyong Xu Rui Min Yiming Hu
■出典
Proc. of the 32nd International Conference on Parallel Processing (ICPP’03), 2003.

以下、アブストラクト原文です。

Routing algorithm has great influence on system overall performance in peer-to-peer (P2P) applications.
In current DHT based routing algorithms, routing tasks are distributed across all system peers.
However, a routing hop could happen between two widely separated peers with high network link latency which greatly increases system routing overheads.
We propose a new P2P routing algorithm - HIERAS to relieve this problem, it keeps scalability property of current DHT algorithms and improves system routing performance by the introduction of hierarchical structure.
In HIERAS, we create several lower level P2P rings besides the highest level P2P ring.
A P2P ring is a subset of the overall P2P overlay network.
We create P2P rings in such a strategy that the average link latency between two peers in lower level rings is much smaller than higher level rings.
Routing tasks are first executed in lower level rings before they go up to higher level rings, a large portion of routing hops previously executed in the global P2P ring are now replaced by hops in lower level rings, thus routing overheads can be reduced.
The simulation results show HIERAS routing algorithm can significantly improve P2P system routing performance.

以下、僕による適当な日本語訳です。

ルーティングアルゴリズムは、P2Pアプリケーションのシステム全体の性能に多大な影響を与える。
現在のDHTに基づいたルーティングアルゴリズムにおいては、ルーティングタスクがシステム全体のピアに分配される。
しかしながら、ルーティングホップは、二つの遠く離れたピア間で、大きなネットワーク遅延を伴って行われる可能性がある。
これではシステムのルーティングオーバヘッドが大きく増大してしまう。
HIERASでは、最上位のP2Pリングの舌に、低レイヤーのP2Pリングをいくつか構築する。
P2PリングはP2Pオーバレイネットワーク全体のサブセットである。
我々はP2Pリングを、低レイヤーのP2Pリングにおける2ピア間の平均ネットワーク遅延が、高レイヤーのP2Pリングと比較してはるかに小さくなるように構築することで、ルーティングオーバヘッドを削減している。
シミュレーション結果により、HIERASのルーティングアルゴリズムは、P2Pシステムのルーティングパフォーマンスを大きく向上可能であることがわかった。

この論文のアブストラクトを読んで分かったことは以下の通りです。

  • 既存のDHTに基づいたルーティングアルゴリズムは、遠く離れた遅延が大きいピア間でメッセージがホップする可能性があるため、ルーティングのオーバヘッドが大きくなってしまう。
  • この研究では、P2Pリングを階層的に重ねたネットワーク構成を実現する「HIERAS」を提案している。
  • 低レイヤーのP2Pリングにおけるピア間の遅延を、高レイヤーと比較して小さくすることで、ルーティングオーバヘッドを削減している。

アブストを読んだ限り、自分の修論研究と目的は違えどやっている事はほぼ一緒のように思いました。詳しいことは本文を読んでみないと分かりませんが。。。
修論研究では二つの階層に限定しているのに対し、この研究はそれ以上の階層数についても考えられているっぽい？？

ともかく、至急本文を読みたいと思いました。